世界最古の集落はチャタルホユックに?
世界最古の集落はチャタルホユックに?
今まで発見された新石器時代から残る最も古い遺跡の一つ。
チャタルホユックは、紀元前8000年から残る世界最古と称されている集落跡です。
チャタルとはトルコ語で「フォーク」を意味し、ホユックは「丘」や「塚」を意味するので「分岐した丘」の意味となります。
今回の記事では、2012年にユネスコ世界遺産リストに登録された「チャタルホユック」はどんな場所なのか、どんな歴史を持っているかについて簡単にご紹介いたします。
世界最古の都市チャタルホユックはどこ?
チャタルホユックはアナトリア高原南部のコンヤにあり、高さ 20メートル程の2つの丘から成り立っています。造られたのは9000年前にさかのぼる。
2つの丘に何があるの?
右側の丘では、紀元前7400年~6200年からの18層にも及ぶ、新石器時代の堆積が発見されました。これらの層では、壁面に描かれた絵やレリーフ、像などの先史美術が見られます。
ここで発掘された物のおかげで、定住農耕生活が定着したから、先史時代における社会構造や文化的習慣の発達過程を解明するのに非常に重要な遺跡なんです。
西側の丘では発見されたものは、紀元前6200年~5200年間の金石併用時代をさし、人類の慣習の進化を示しています。
チャタルホユックという神秘的な集落の謎を溶けるために、昔からは様々な調査が行われています。1958年にジェームス・メラートによって発見され、1961年~1965年にかけて発掘調査されていました。
それから1993年から再度調査が実施されることになり、現在も22か国からの考古学者と歴史家が訪れています。
チャタルホユックの特徴と住民の生活
新石器時代から残るチャタルホユックは、建築、風景画、地母神と関係する出土品で、人類史への理解が深まります。
日干しレンガの家屋1000軒は隣り合うように造られました。しかも敵から身を守れるよう、家に入るための出入り口は天井にしかないです。
通常、家と家の間に通りがありますが、ここの場合は集落に通りがないので、珍しくて複雑な構造となっています。蜂の巣を思い出します!
現在も続けられている発掘作業で、当時、約8000人が暮らしていたと推定されており、階層的ではなく、平等主義に基づいた独自の共同体を作ったということが分かります。
更に、これらの家では5~10人の家族や実は血が繋がっていない人々が一緒に住んでいたことが分かりました。
古い家の上に、新しい家が建てられていて、18層に積み重なる住居跡として有名です。家は内面に漆喰で白やクリーム色に塗られており、黄・赤・黒の配色で壁画が描かれている場所も見かけます。
それぞれの層に描かれている壁画がありますが、例にしますと、人間と聖なる動物の羊・雄牛・鹿など、鳥のモチーフが見られます。また、頭のない人間の身体やハゲワシ、噴火している火山の絵もあります。
チャタルホユックの出土品
チャタルホユックで大種類のものが発掘されてきました。ほとんどは、石器、食事用の陶器、黒曜石のナイフや地母神のモチーフをした首飾りとブレスレットとなっていますが、特に注目を集めているアイテムを見ていきましょう!
土偶女神像
ここで発見された小立像は紀元前6000年程度のものとされます。二つのハンドレストにライオンがいる「母なる神」が王座に座っている様子が見られます。
当時の信仰が女神信仰ともなされています。幸せと豊かさを表すシンボルだと言われます。
人間の骨
人が死んだら、住んでいた家に埋める習慣がありました。
2004年の発掘では、漆喰で装飾された男性の頭蓋骨を抱きしめた状態の女性人骨が見つかりました。この発見により、住民たちには死後の世界観と関係すると思われています。
世界最古の地図
1963年の発掘調査では右側の丘にある家のから地図が発見されました。都市計画でも言われます。紀元前6200年頃から残る、世界最古の地図だと思われています。約3メートルの長さをしています。
ここで発掘された出土品の一部は現在、トルコ首都・アンカラにあるアナトリア文明博物館およびコンヤの考古学博物館で展示されています。当時、住民の世界観が分かるような造形美術が多数見られます!
訪問時間
チャタルホユックへの入場は無料!ただ、観光したい場合、以下の時間帯でするようにご注意。
【4月1日~10月31日】 09:00~19:00
【11月1日~3月31日】 09:00~17:00
では、紀元前に旅したい方は、次のトルコ旅行でチャタルホユックも行ってみてくださいね。
エリちゃん~