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2023/08/18

過去と現在の架け橋:アンタルヤ県のシデ遺跡

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過去と現在の架け橋:アンタルヤ県のシデ遺跡

 アナトリア語派に属する言語ルウィ語で「ザクロ」 を意味する街のシデ。
 「トルコのリビエラ」という地中海に面したリゾート地。綺麗な海岸線が永遠に続きそうな地域。

 さまざまな文明に残された遺跡と併存するレストラン、お土産屋で食事をしたり、買い物をしたり…
 過去に戻ったようなないような気分になれます。

 トルコの南西部、アンタルヤ県のマナヴガット郡に位置し、アンタルヤの中心部から約80km離れています。古代都市のシデは、半島に建てられた400平方キロメートルの港町です。

 観光客の関心は非常に高く、古い歴史を有する街です。まるで大きな野外博物館のようなシデは、自然の美しさと歴史の積み重ねがわかるユニークな場所。

 今回の記事では、トルコの観光スポットに恵まれたアンタルヤ県のシデとおすすめの観光地を厳選してご紹介します!

自然と歴史が溢れるシデ古代都市


 紀元前7世紀に設立され、多数の文明の支配下にあったシデ。
 ペルシャ人、ギリシャ人、ローマ人、リュディア人などの文明の痕跡が多く残っています。

 簡単にタイムラインにして説明しますので見ていきましょう!

 リディア王国が紀元前546年に滅亡し、ペルシア帝国の支配下に入りました。

 紀元前334年に、マケドニア王朝のアレキサンダー大王によって占領されました。彼は、シデを「銀貨 の鋳造の町」の一つにしました。シデの「ヘレニズムの文化」との出会いも、彼のおかげでした。

 紀元前188年にて(シデも含め)パンフィリア地方はペルガモン王国が支配することになりましたが、しばらくの後に独立し、最も栄えた時期を迎えました。

 セレウコス朝シリアの王だったアンティオコス4世は、紀元前138年に教育を受けるためにシデへ行きました。これにより、シデは東地中海において重要な文化中心地であることが分かります。

 紀元前1年に、古代地名のパンフィリアにやってきた海賊の海軍基地達となってしまいました。しかし、紀元前78年に、海賊を街から追い出したローマ帝国の支配下に入って、地中海地方の貿易の中心地となりました。この2世紀間は科学的、または、文学的な中心地にもなりました。
 
街は歴史的建築物が豊富で、劇場、アゴラ地(広場)、ニンファエウム噴水、アポロンのためにつくられた神殿、城壁、ローマ浴場などの遺跡が現在に残りました。
 昔、ローマ浴場があったところに、シデ遺跡の発掘品が展示されている博物館があります。
 現在、劇場と博物館以外は無料で観光できます。

 7世紀に発生した大地震が原因で大きく破壊され、元の姿に戻れられませんでした。
 9世紀~10世紀にアラブ人の略奪や襲撃もあり、シデに住んでいた人たちはアッタレア(現アンタルヤの街)とマナウア(現マナヴガットの街)に移住しました。
 さまざまな情報によると、12世紀~14世紀までに移民しながったと思われており、いつ移住したか不明です。

豆知識★

 ミュージアム・パス(MÜZEKART)があれば劇場と博物館への入場はかなりお得になります。一回の購入で、定められた期間内に、トルコ政府が指定した観光地に何回でも入場できますので、おすすめします!
 各観光地の入場券売り場で簡単に購入可能です。

シデ劇場

 建築時期が不明ですが、2世紀に建てられたと思われています。種瀬遺跡の中心にあるこの劇場はローマの建築様式で建てられました。
 17000~20000人が収容できる大きさです。
 3階建てのシデ劇場は、列柱式のアーチに囲まれたのは特徴で、アナトリア地域全体で最大の古代建築。

 古代ローマの後半期は、ここで剣闘士同士の戦いがやっていたらしい。一方で、ビザンティン帝国時代に教会として使われていました。

アポロンの神殿

 
 シデ遺跡に列柱が美しい「柱の通り」があり、この通りを抜けて海辺の近くにアポロン神殿があります。太陽・芸術・神託の神であるアポロンのために建設されたものです。
 建設が150年にさかのぼるこの立地の素晴らしい神殿は、ローマ時代に建てられました。
 神殿の一部が再建されました。

 地中海沿岸で最もロマンチックな場所と言っても嘘ではないです!
  ここは最高の夕日の撮影の場所として大人気。夜もライトアップされているので、非常にきれいです。

ニンファエウム噴水跡


 ローマ時代の2 世紀頃に建設されました。パンフィリア地方の最も大きくて壮大な噴水として現在までよく保存されました。
 シデ遺跡に入場したらまず目にするのはこちらです。

 元々52mの広さと20mの高さでしたが、残念ながら一部は崩れてしまったようです。

 21の列柱並びの前にプールがあり、大理石に覆われた噴水がありました。
 魚・メデューサの頭で刻まれた柱、イルカのレリーフなど、色々飾っています。

 市民の水へのアクセスが重要とされていました。しかし、市内には水源はなかったので、近くの水道橋からこの噴水に水を運ぶシステムを作りました。
 当時、お金持ちの人々は自宅に似たようなシステムがあったため楽でしたが、この噴水のおかげで誰でもアクセスできるようになったんですね。

アゴラ

 シデ劇場から北に行くとアゴラに着きます。2世紀に政治的な目的で建設されたアゴラです。
 正方形の形をしていたアゴラです。中心部に皇帝の像があったようです。
 
 都市の管理および政治的な取引が行われた場所として知られています。

シデ博物館

 2世紀~6世紀の間に建設された、元々公衆浴場であった古代遺跡博物館は、残存しました。

 博物館では、彫像、石棺、碑文、古代ギリシャの彫刻、テラコッタ、ガラス、ブロンズの発見物、およびヘレニズム時代・ローマ時代・ビザンチン時代に利用されたコインなど、多数の発掘物が展示されています。

 2800年の歴史を有するシデは、深い歴史と文化が溶け合う、目の保養にる都市の遺跡です。散策すると異世界を訪れたような感覚に包まれますので、アンタルヤへの旅はシデを忘れずに♪

エリちゃん~

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