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2023/08/25

アスペンドス遺跡-文化と芸術が栄えた古代都市

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アスペンドス遺跡-文化と芸術が栄えた古代都市

アスペンドス遺跡は、アンタルヤのセリク地区にある輝く古代都市です。

現在まで完璧に残っている円形劇場は特に有名で、世界中から観光客が訪れます。

今回の記事では、アスペンドス遺跡の歴史についてご紹介します!

アスペンドスとは

アスペンドスの町は、かつて繁栄を誇った、パンフィリア地方(トルコの小アジア南部)の主要都市の一つです。

紀元前10世紀に、古代ギリシア人の一分派であるアカイア人によって建設されました。

建設された場所は、当地方で最も広い川「エウリュメドン(現キョプルチャイ川)」の近くにある、2つの丘の上です。
トルコの南西海岸に位置するアンタルヤからは、約47km離れています。

アスペンドスの町は、古代ギリシャコインの「スタテル銀貨」を鋳造し、独自の銀貨を発行していた初の古代都市としても知られています。

主な産業として、近くの塩湖から取り出した塩を、綿の栽培に使われるよう輸出を行っていました。

その他、ブドウとオリーブの栽培・ワイン醸造・果物などの輸出も行い、経済的に豊かな古代都市でした。

紀元前6世紀にペルシア帝国、紀元前333年にはマケドニア王国のアレキサンダー大王に征服され、発展していきます。

アスペンドス遺跡に残る、数々の歴史的建造物

都市の最も古い遺跡はアゴラ(広場)の右にある、3階建ての「店の遺跡」です。
他にも、ローマ時代後に建てられた宮殿、泉、オデオン(劇場)、記念物、神殿、大浴場、オスマン帝国時代に建てられた橋などの建造物が見られます。

特にローマの支配下にあった時期は、劇場や水道橋が造られ、アスペンドスの最盛期とも言われています。

現在まで歴史的な遺物が保存された主な理由は、13世紀にセルジューク朝の支配下に入って修復が行われたためです。

当時セルジューク朝では、アスペンドスの劇場の一部を、キャラバンサライという宿泊施設または宮殿に変えて利用していました。

修復により、セラミックタイルや絵画の装飾、ターコイズや黄、白、黒の色をしたライオン・太陽・鹿などのレリーフが見られます。

これらから分かるように、彼らは芸術を大切にしていました。
2015年にてユネスコの世界遺産暫定リストに登録されたため、世界遺産リストにも入るかもしれません。

アスペンドスの伝説

アスペンドスと言えば、先ほども記載した劇場と水道橋が思い浮かびますが、これらにまつわる「愛の争い」という有名な言い伝えがあるので紹介します。

アスペンドスの王は、娘が優秀な男性と結婚することを望んでいました。
王は、「市民に最も役立つ仕事をした者が娘と結婚できる」と告知します。

結婚を希望する人々の中に、とある2人の兄弟がいました。
1人は遠い場所から町まで水を引くための水道橋を建て、もう1人は劇場を建てました。

王は最初に水道橋を建てた建築家を選ぼうとしましたが、芸術が好きな娘は、王に「劇場をもう一回見て検討して欲しい」と言いました。

王と娘が劇場の上部を歩いている時に、劇場を建てたゼノンは劇場の中心に立って「王の娘は俺に渡すべき」と小さな声で言いました。

彼の言葉を一番遠くから聞いていた王は、劇場の音響の良さに感動しました。
結果的に王は建築家のゼノンを選び、娘と結婚させることにしたのです。

アスペンドス劇場

アスペンドス都市のシンボルである円形劇場は、ローマ時代を代表する劇場の一つです。

2世紀後半頃、マルクス・アウレリウス帝の時代に造られました。
造ったのは伝説の通り、建築家ゼノンです。

劇場は12000~15000人を収容でき、ギリシャ建築の特徴がよくわかる構造になっています。

一番の特徴は、やはり音響効果が抜群であること。
劇場の中央に立って、床にコインを落としたら、一番上の席に座っている人にも聞こえるほど音が響き渡ります。

今でも、夏には「アスペンドス・オペラとバレエ・フェスティバル」が開催されています。

また2019年には、約32万人の観光客が、この古代都市の痕跡を見るために訪れました。

アスペンドスの水道橋


アスペンドスの北にある山から、約1kmの場所に位置するアスペンドスの水道橋が、古代時代から現在に珍しく残る水道橋の代表例となっています。

伝説に出てくるほど有名な水道橋ですが、一度地震で破壊されています。

13世紀、セルジューク朝によって修復され、現在まで残ることができました。

アスペンドスの競技場

劇場の北には、U字型の競技場(スタジアム)の遺跡があります。
当時、スポーツ活動が行われていた215メートルの競技場は、約8000人を収容できたと言われています。

残念ながら劇場ほど上手く保存されませんでしたが、長い歴史を感じることができます。

観光時の注意

ご飯を食べる場所がありません。
アスペンドスへ移動中は、ギョズレメ(フラットブレッドに詰め物をした料理)などのさまざまなご当地グルメを売っている、屋台がおすすめ。

夏の時期は日焼けに注意!
夏に旅行する場合、特に午後12時~16時頃は熱中症になりやすいので、お気をつけください。日焼け止め、帽子、お水は必須です。

まとめ

今回はアンタルヤのアスペンドスについてご紹介しました。
海とビーチに恵まれた街のアンタルヤですが、歴史豊かなアスペンドス遺跡もぜひ、観光に行ってみてください。

エリちゃん~

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