サンタクロースが誕生した地:アンタルヤ県のパタラの町
サンタクロースが誕生した地:アンタルヤ県のパタラの町
パタラは、文化的・歴史的な価値を持っていて、観光地として大人気な町。
紀元前に発足した「リュキア連盟」の首都として認められたことや、「クサントスの谷」から海へ繋がる唯一のルートであることから、重要視されています。
また、サンタクロースのモデルと言われる「聖ニコラウス」が生まれた場所としても有名です。
今回の記事では、パタラの歴史、遺跡、ビーチ、砂丘など、さまざまな情報をお伝えします!
パタラはどんな町?
パタラは、トルコ地中海地方の大都市アンタルヤのカシュ地区にあります。
ヒッタイト帝国の古文書で、「パタル」と書かれている古代の港湾・商業都市です。
先ほども記載したとおり、パタラは、サンタクロースのモデルとして知られている、キリスト教において重要な人物「聖ニコラウス」が生まれた場所でした。
また、キリスト教を発展させた人物「聖パウロ」が、ローマ行きの船に乗り換えた場所 としても有名です。
このように、パタラはキリスト教とゆかりがある町でした。
パタラの歴史とは
パタラの歴史をご紹介します。
パタラの歴史はかなり深いです。
パタラの北部にあるテペジク地域で、青銅器時代(紀元前3300年頃)の陶器、鉄器時代(紀元前1200年頃)の石斧が発見されています。
紀元前333年、マケドニア王国のアレキサンダー大王に征服されました。
紀元2世紀、セレウコス朝の支配下に入り、古代の地名のリュキアの首都として認められました。
これにより、パタラは自治権を定め、独立し、正式に「リュキア連邦」の首都になりました。
リュキア連邦とは、紀元前168年にリュキア地方の約23の都市国家が強く連携して成立した連邦のことです。
1211年、セルジューク朝に支配されます。
パタラは、当時セルジューク朝が支配した地中海の海岸線の地域の一つでした。
歴史的な港の建物や港の門など、現在に残ったパタラの遺跡から、パタラはローマ時代・ビザンティン時代・中世の影響を強く受けていたことが分かります。
ヘレニズム時代に建設されたのは、国会議事堂やパタラ古代劇場など、パタラを作り上げた多数の建造物の一部だけです。
都市内では、各時代の社会的・政治的な生活を伝える大事な遺跡を見ることができます。
パタラ古代遺跡
パタラ遺跡は、2009年にユネスコの世界遺産暫定リストに登録されました。
パタラという古代都市への入り口に立つ立派な門は、「モデストスのアーチ」。
100年頃に、パタラの知事のために建てられたと言われています。
モデストスのアーチの西側には、リュキアの墓地遺跡があります。
パタラの歴史深い遺物の一つは、2世紀にローマ皇帝ハドリアヌスがプレゼントとして建てた穀倉です。
パタラは、アナトリアからローマへ運ばれる穀物を保管する港町としても有名でした。
そしてもう一つの見所と言えば、「ネロン」と呼ばれるパタラの灯台。
64〜65年、アンタリアの皇帝ネロンによって建設され、現在まで残されている最古の灯台です。
また、ローマ帝国の皇帝ウェスパシアヌスの代に建てられた、ローマ浴場の廃墟も残っています。
これは、アナトリアで発見された最古の浴場跡と言われています。
他にも、約6000人を収容する古代劇場や、その北側にある、歴史上初の民主党議会である国会議事堂なども見ることができます。
上記に述べたように、パタラは歴史で溢れている多機能都市なので、その場で起きていた歴史的な出来事を、実際に感じながら旅を楽しむことができます!
トルコ文化観光省に「2020年はパタラの年(Patara Yılı)」と公式に告知されました。
パタラの都市は、パタラの年に!(笑)
古代ギリシャ神話とパタラ
古代ギリシャ神話によると、パタラは、女神のレトと最高神ゼウスの子供であるアルテミスとアポロンが生まれた場所です。
貞潔・狩猟・月の女神のアルテミスと、音楽・芸能・太陽の男神のアポロンは双子の兄妹です。
レトの妊娠が分かったゼウスの正妻ヘラは、彼女が出産できないように邪魔しようとしました。
レトはヘラの妨害にめげず、パタラへ逃げ切ることができました。
9日間も続いた陣痛を我慢した彼女は、ナツメヤシの木の下で、双子神のアルテミスとアポロンを産みました。
レトが出産した場所は、パタラ遺跡の港の近くにある、ヤシの木(ナツメヤシの木)の林だと思われています。
現在もそのまま残っていて、不思議な感じがしますね。
パタラビーチと砂丘
「リュキアの道」にあるパタラ遺跡を観光するなら、近隣にあるパタラビーチも絶対に見るべきです!
全長18キロメートルにおよぶ砂浜の海岸線は、「世界最長のビーチ」の一つとなっています。
そして、アカウミガメの生息地でもある珍しいビーチです。
2021年は16980匹のアカウミガメが誕生し、海に帰りました!
繁殖時期の5月〜8月の間は、彼らの安全を確保するため、ビーチの入場は08:00~20:00となり、20:00以降の入場が国際自然保護連合(IUCN)によって禁止されています。
パタラのビーチは砂漠のようにエキゾチックな場所に見えるため、1950年〜1980年にトルコで作られたさまざまな映画で、砂漠のシーンとして使われた場所でもありました。
日光が当たると金色に輝く砂丘の美しい景色と海の香りは、パタラでのリラックスのしたひとときを彩るでしょう♪
また、ここはサファリゾーンでもあるので、息をのむようなサファリの体験も可能です。
馬またはラクダに乗ってパタラを満喫することもできます。
アクセス方法
パタラへは、トルコの南西部にあるダラマン空港から、送迎サービスまたはバスでカシュ地区に移動し、そこからパタラ行きのバスに乗って向かいます。
また、アンタルヤから、車やバスで3時間かけて行くこともできます。
まとめ
パタラでは、アンタルヤの海やリゾートを満喫しながら文化遺産も観光できます。
パタラの古代都市とビーチは、心からおすすめの観光スポットです!
エリちゃん~