「犯罪の女王」小説家アガサ・クリスティとは誰?
「犯罪の女王」小説家アガサ・クリスティとは誰?
「犯罪の女王」や「ミステリーの女王」とも呼ばれる、世界中で有名なイギリス出身の作家、アガサ・クリスティ。
66冊以上のミステリー・犯罪の小説と14冊の短編集で人気のアガサの作品は、推定20億冊が発行されました。これにより、彼女はギネスブックで「史上最高のベストセラー作家」に認定されています。
彼女の有名な作品の一つである『オリエント急行の殺人』は、イスタンブールに深い繋がりがあります。
この作品は、パリとイスタンブールを結ぶ鉄道「オリエント急行」を利用するゲストのためにイスタンブールに建てられた「ペラ パレス ホテル」に泊っている間に書いたといわれているからです。
今回の記事では、イギリス文学の最も有名な作家の一人であるアガサ・クリスティの生涯、有名な作品と彼女がイスタンブールで頻繁に泊っていた「ペラ パラス ホテル」を基にしたNetflixシリーズについて紹介したいと思います。
アガサ・クリスティの子供時代、家族
本名は「アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー」であり、1890年に快適な中流家庭に生まれました。アメリカ人の父親によってホームスクーリングされていたのが、当時の女子教育を考えるとめずらしい環境かもしれません。
彼女の母親は優れたストーリーテラーで、自分が娘にお話しを聞かせたいという理由から8歳になるまで娘に文字を読むことを教えたくなかったそうです。それでも、アガサは5歳までに文字を自分自身で読めるようになりました。
家庭ではお母さんだけではなく、彼女のお姉さんもホラーに興味があったのも影響し、アガサは小さい頃からファンタジープレイとキャラクターの作成を楽しんでいました。
16歳からはパリでピアノと唱歌の授業を受けはじめます。ピアノを続ければプロのピアニストになれたと言われるほど上手くなったといわれていますが、知らない人の前では恥ずかしすぎて弾けなくなるタイプの性格のためピアノを進めなかったといいます。
小説家のアガサ・クリスティ
18歳になるまでの間に、アガサは家族の友人である作家のイーデン・フィルポッツと一緒に短編小説を書き、いろいろなアドバイスをもらいました。
1912年には飛行士であるアーチー・クリスティーと出会い、その2年後二人は結婚しました。
アガサがミステリーの小説を書き始めたのは、第一次世界大戦中でした。彼女の最初の小説、「スタイルズ荘の怪事件」は、1916年に書かれ、その4年後に出版されることになりました。
彼女の2番目の小説である「秘密機関」は1922年に出版され、評論家からいいコメントをもらいました。アガサは第二次世界大戦の後も小説を書き続けたことで文学への貢献が認められ、1956年の大英帝国勲章の司令官となりました。
また、彼女は1971年に大英帝国によってデイムコマンダーの勲章を与えられました。彼女は、いくつかの有名なイギリス文学のキャラクター、ベルギーの探偵「エルキュール・ポアロ」と村の女性「ミス・マープル」を作成した人として広く知られています。
アガサ・クリスティの謎の失踪事件
彼女の母親は1926年に亡くなりました。また、アガサは夫が別の女性に恋をしていることが発覚しました。
彼女は精神的に苦しみ、12月6日に家から出てから失踪してしまいました。その数日後、彼女の車は採石場に捨てられたことが明らかになります。
ミステリー作家の不思議な失踪は各新聞の1ページに置かれ、数千人の警官とボランティアの人を含む大きな捜査チームが作られました。10日後、警察は小さなヒントによって行動し、イギリスのハロゲイトにあるホテルで彼女を見つけました。
彼女はずっとホテルにいて、夫が浮気をしている女性の名前で登録されていたルームに泊っていたそうです。アガサは記憶をまったく失ったと主張し、事件はそれ以上進められなくなりました。彼女が記憶喪失を本当に経験したのか、それとも失踪が計画された演技のプランだったのかは今でも不明です。彼女はその2年後、浮気をしている夫と離婚しました。
アガサ・クリスティとイスタンブール「ペラ パレス ホテル」
約130年の歴史を持つ「ペラ パレス ホテル」。19世紀の家具で備えられたロビーやホールで、ペラパラスはアガサ・クリスティの小説の雰囲気が感じられます。
彼女はイスタンブールのペラパレスホテルの常連客であり、常に411号室に泊まっていました。現在、411号室は「アガサ・クリスティルーム」として認識されています。
この部屋には、元のアンティーク家具と彼女に関する多くの資料が置かれています。この部屋はアガサ・クリスティの生涯の雰囲気をだれでも体験できるため、予約して泊まることができます。
別の部屋、101号室は「アタテュルクの組曲スイート」として知られています。トルコ独立戦争の準備をしている間「トルコの父」であるムスタファ・ケマル・アタテュルクが収容されていました。彼の個人的な物や興味のあるものなど多くが展示されている美術館です。
「ペラ パレス ホテル」が舞台のNetflixドラマ「ペラパレスの夜更け」
チャールズ・キングの小説に基づいて、Netflixの新しい政治ドラマシリーズ「ペラパレスの夜更け」が2022年3月に公開されました。このシリーズでは、ペラ パレス ホテルについて記事を書くために任命された若いジャーナリスト、エスラが主人公になっています。
アガサ・クリスティルームである411号室で泊った真夜中、1919年につながるタイムポータルを発見します。1919年にタイムトラベルすると、ムスタファ・ケマルの暗殺を含む政治的陰謀に巻き込まれ、国の未来を救うためにこの暗殺を止めなければなりません。
時間があればぜひこのシリーズを見てみてください。とても面白いですよ!