栄養たっぷり!トルコ黒海地方のヘーゼルナッツは特別に美味しい
栄養たっぷり!トルコ黒海地方のヘーゼルナッツは特別に美味しい
ヘーゼルナッツの生産量が最も多い国といえば…そう!トルコです。
世界のヘーゼルナッツの生産において、トルコは非常に重要な国。
トルコ北部の黒海沿岸側では、多くの人がヘーゼルナッツを生産しています。
今回の記事では、トルコのヘーゼルナッツ栽培、ヘーゼルナッツの栄養成分、美味しい食べ方などについてご紹介します。
ヘーゼルナッツとトルコの繋がり
中国の歴史的文書によると、ヘーゼルナッツの栽培の始まりは、紀元前2838年、中国の支配下にあった現在のトルコ黒海沿岸です。
またこの文書では、「ヘーゼルナッツは神様に与えられた聖なる果実の1つ」と表現されています。
744〜840年に存在したウイグル族にとって、ヘーゼルナッツの木は、聖なる木とみなされていたそうです。
古代ギリシャと古代ローマでは、ヘーゼルナッツは料理のソースによく使われていました。
1737年、現在のトルコを支配していたマフムト1世時代のオスマン帝国は、フランスとの間に「貿易契約」を結びます。
この契約によってフランスへ輸出されていた商品の中には、ヘーゼルナッツもありました。
18世紀後半、トルコ原産のヘーゼルナッツが、ヨーロッパで認められるようになります。
徐々にロシア、ドイツなど、多数の国へヘーゼルナッツを輸出することになりました。
1900年代、トルコはヘーゼルナッツの栽培を最優先します。
そして現在、トルコは、ヘーゼルナッツの世界最高の産地として知られるようになりました。
ヘーゼルナッツの生産事情
国連食糧農業機関によると、2019年のヘーゼルナッツ生産実績は、トルコが約78万トンで1位でした。
次いでイタリアが約10万トンで2位、アゼルバイジャンが約5万トンで3位です。
2019〜2020年のトルコの生産量は、世界総生産量の約70〜75%を占めています。
トルコで生産量1番の「オルドゥ」
トルコの農林省(2021)によると、2019年にトルコで生産されたヘーゼルナッツの28%は、「オルドゥ」という都市で生産されていました。
つまり、トルコでヘーゼルナッツ生産が最も多い都市は、オルドゥだと言えます。
ヘーゼルナッツ生産の中心地は、トルコの黒海地方。
東部にはオルドゥ、ギレスン、リゼ、トラブゾン、中央北部にはシノップ、北西にはボルなどがあり、ヘーゼルナッツの生産に恵まれています。
現状、トルコでは約400万人が、直接的または間接的にヘーゼルナッツの栽培に関わっています。
私の両親の故郷はオルドゥなので、多くの親戚はヘーゼルナッツ農家です!
いま私たち家族は違う街に住んでいますが、故郷のヘーゼルナッツの文化を守るため、毎夏、故郷に収穫しに行きます。
ヘーゼルナッツの栽培と収穫
ヘーゼルナッツの木は、湿度の高い地方と粘土質の土壌を好むため、雨の多い地域で育つことが多いです。
その地域にとってヘーゼルナッツの木を育てる利点は、土壌侵食を防ぐことですね。
トルコでの収穫方法
トルコでのヘーゼルナッツの収穫時期は、前後にずれることもありますが、毎年8月及び9月です。
収穫方法には二つあります。
一つは、枝が振り落とされたとき、地面に落ちたヘーゼルナッツの草や雑草を取り除いてから拾って収穫する方法です。
もう一つの方法は、ヘーゼルナッツを木から一個ずつ摘み取って集めます。
集められたヘーゼルナッツは、殻が茶色になるまで太陽の当たるところで乾燥させます。
このプロセスは「予備乾燥」と呼ばれています。
予備乾燥の後、ヘーゼルナッツ選別機で殻とナッツをわけ、もう一度太陽が当たるようにテントの上でナッツを乾燥させます。
太陽の下での乾燥は、トルコのヘーゼルナッツの美味しさの秘訣です。
天気にもよりますが、予備乾燥も含め、総乾燥期間には大体15〜20日かかります。
オルドゥでは、農家さんたちが集めたヘーゼルナッツを、自分の裏庭に置いて乾燥させるのは普通のことです。
車でどこかへ行く時、遠くから見えるナッツの茶色と自然の緑色が揃った景色は、面白いと思います。
ヘーゼルナッツの栄養成分:健康に効果的?
ヘーゼルナッツは、100gあたり640kcalあります。
そのうちの栄養成分は、60.51gが脂肪、12〜19gがたんぱく質。
加えて鉄分(4.9グラム)、ビタミンE(33.9グラム)、カルシウム(193.4グラム)、マグネシウム(176.5グラム)など、ヘーゼルナッツはミネラルに富んだナッツです。
ビタミンEが豊富に含まれているので、ヘーゼルナッツを摂取することにより、心臓病とがん予防効果が期待できます。
また、糖質がかなり少ないので、ダイエットにも最適。
更にヘーゼルナッツには、「オレイン酸」がアーモンドよりも豊富に含まれています。
オレイン酸とは、老化防止に効果的と言われる「抗酸化作用」のある栄養分。
コレステロールの減少、血圧の正常化などの特徴があるので、生活のリズムを整えることができます。
ヘーゼルナッツの摂取量
1日の摂取目安量は10〜20個くらいで、カロリーはおおよそ100〜200hcalです。
トルコでは、昔の有名なテレビ広告のセリフで、「1日一掴みの量を食べると体に良い」という言い伝えがあります。
そのため、トルコ人は1日に一掴みの量を適量としている人が多いです。
ヘーゼルナッツを美味しく召し上がる方法
身体に良いヘーゼルナッツを食べる習慣を身につけるために、摂取方法をいくつかご紹介します。
世界中で間食として人気のあるヘーゼルナッツ。
トルコでは、チョコレート、クッキー、ケーキ、アイスクリーム、伝統お菓子のロクム、サラダなど、色々な食べ物の副材料として使われています。
スライスにしたり、ヘーゼルナッツパウダーにしたり、調理方法はレシピに合わせて様々です。
皮を剥いて煎ってそのまま食べるのも美味しいですね。
また、国産のヘーゼルナッツを使う色々なメーカーが、チョコレートクリーム、ヘーゼルナッツバタークリームなど、多種類のヘーゼルナッツクリームを販売しています。
トルコでは、ヘーゼルナッツの商品の人気が高く、一般的に朝食に食べられています。
あまり自炊しない方には、朝食のレシピとして、オートミール、ヨーグルト、蜂蜜、つぶしたヘーゼルナッツをお好みの量で混ぜる食べ方がおすすめです。
ヘルシーで美味しくて、必要な栄養分もかなり含まれています!
ヘーゼルナッツが入っているトルコ料理
朝食系の食べものや、デザート系の食品に多く使われるヘーゼルナッツですが、トルコでは料理にも使われています。
へーゼルナッツが使われている2種類のトルコ料理と、それぞれの作り方を紹介します。
ヘーゼルナッツ入りキョフテ(ミートボール)
キョフテとは、トルコ風ミートボールのことです。
日本のラーメンのように、地域によって材料と作り方が異なるので、色々なキョフテの味が楽しめます。
材料は少なく、作り方もとても簡単です。
材料
ひき肉
食パン(パン耳を除いた白い部分)
ヘーゼルナッツパウダー
玉ねぎ
塩
作り方
耳を切り取った食パンとひき肉を混ぜます。
みじん切りにした玉ねぎ、ヘーゼルナッツパウダー、塩を加えて混ぜます。
材料がよく混ざったら、クルミのように丸く形を整えて焼いたら、出来上がりです。
カロリーが高すぎず、満腹感がアップする食事として最適な料理です。
タラトル
タラトルは、トルコの前菜「メゼ」の一つで、歴史的なオスマン宮廷料理の一つ。
レシピは複雑に感じるかもしれませんが、短時間ですぐ作ることができます。
材料
ヘーゼルナッツ
食パン(パン耳を除いた白い部分)
オリーブオイル
酢
にんにく
塩
作り方
まずは、皮を剥いたヘーゼルナッツをフードプロセッサーで細かく砕きます。
耳を切り取った食パンを、フードプロセッサーに加えて潰します。
オリーブオイルを少しずつ加えます。
最後に、にんにくと酢を入れて混ぜ続けますと、出来上がりです。
トルコの居酒屋とも言える「メイハーネ」では、メゼとして小皿料理でサービスされます。
ぜひ本場で召し上がってみてください!
ヘーゼルナッツは食べるだけではない
ヘーゼルナッツの、料理以外の活用方法をご存知ですか?
ヘーゼルナッツの樹は、バスケット、椅子、フェンス、手工具などを作るのに使われ、ヘーゼルナッツの木の葉っぱは肥料として使われます。
また、売られなかったヘーゼルナッツを使って、ヘーゼルナッツオイルが作られます。
栄養成分が豊富なだけでなく、複数の活用方法があり、人の身体と自然に優しいヘーゼルナッツ。
ぜひトルコの海峡地方を訪れて食べてみてください!
エリちゃん~